No.309 現在の景気後退の克服策の提言。 ・・・結論。政府が新規産業を創造する。中央銀行がお金を印刷して、そのまま代金として支払えば良い。
現在の景気後退の克服策の提言。Part 1
・・・まずは結論。政府が新規産業を創造する。中央銀行がお金を印刷して、そのまま代金として支払えば良い。
以下に述べる事を、経済学者達は反対するでしょう。彼らには、歴史的経緯による盲点がある。後に説明します。
既存の産業は、既存の事業にそのまま継続させれば良い。既存の産業における商品の需要は、今までと変わらない。新規産業が誕生したら、新しい製品に新しい需要が生まれる。
この新規産業は、政府が行えば良い。コロナパンデミック対策や、宇宙開発は政府の仕事です。
具体的には民間企業への発注になりますが、その代金を、税金や借金による事は不適切です。国債を資産家達に売る事は不適切です。
中央銀行がお金を印刷して政府に贈与して、政府がそれをそのまま代金として支払うことが適切です。
産業における生産は、貨幣的価値のゼロからの創造です。創造された貨幣的価値の規模だけお金が印刷される必要がある。生産された付加価値分だけ、中央銀行がお金を印刷して、生産者に渡して問題ない。
適切な生産が行われていないのに、通貨を発行し続ければハイパーインフレになる。ハイパーインフレにならなければ問題ない。
個人消費は経済成長させる。政府が消費しても同じ事。購入されたワクチンは、政府が消費する。即ち、無料で人々に提供しましょう。
NASAのプロジェクトも、必要な規模だけお金を印刷して、民間企業に発注しましょう。
現在の景気後退の克服策の提言。Part 2
・・・経済学者達は経済の原理を理解しない。以前はそうだった。彼らの盲点を指摘します。
経済学者達は、ミクロ経済学とマクロ経済学は、相互に独立している全く別の経済学だと考えていませんか?
経済学者達は今でも、現実の個人や企業の経済的行動から、マクロの全体像を考察しないかも知れない。ここに彼らの盲点がある。
盲点に気が付かない経済学による経済政策は、役に立たない。現在の景気後退を解決できない。僕はpart 1で解決策を提案しまた。
僕が両者の関係を説明しましょう。
ミクロ経済学とマクロ経済学の関係は、物理学での質点の力学と統計力学の関係に相当する。論理が同じなら、類似の理論となる。
ミクロ経済学における個々の構成要素の行動を、経済全体で積分したらマクロ経済学における量となる。
積分する事は統計処理です。統計処理された量は抽象化される。この時、現実の実態を表現する要素は棄却される。マクロ経済学には、現実の実態を表現する要素は含まれない。
経済学者達は、マクロ経済には現実の実態は一切影響しないと言っていた。マクロ経済に、現実の実態は決定的に影響する。ただ、マクロ経済学においては、それが見えなくなっているに過ぎない。
現在の景気後退の克服策の提言。part 3
・・・社会構造の根本的な変革が必要です。マクロ経済学による視点からは、これは見えない。
僕が学んだマクロ経済学のエッセンスを述べます。
「生産された付加価値が供給されて、人々の所得となる。
GDP = 総投資 + 総消費
総投資は、投資財の付加価値の合計。総消費は、消費財の付加価値の合計。」
付加価値とは、商品の生産の際に、生産されて付加された商品の貨幣的価値。商品の生産の際には、生産以前には存在しなかった価値がゼロから創造されて商品に付加されます。
商品の種類が異なれば、付加される価値の種類が異なります。しかし経済学では、付加価値は全て金額で表現されるから、商品の違いによる価値の違いの区別がつかない。
新しい種類の商品が誕生すれば、新しい需要が生まれます。新需要は、既存の需要に上乗せされる。携帯電話が誕生したら、新しい需要が生まれますが、既存の自動車などの需要は、今までのまま。
コロナパンデミックに社会の構造的変革が必要ならば、新規産業の創造が必要。これは、そのまま経済政策になる。
経済学者は、以上の発想をしないでしょう。彼らは、現実の社会の実態に目を向けないから。
付加価値生産は、貨幣的価値がゼロから創造された事だから、そこに新しい貨幣が供給されれば良い。この貨幣は、中央銀行が発行してそこに供給すれば良い。
現在の景気後退の克服策の提言。part 4
・・・経済学者達の盲点が生まれた理由。
ケインズ経済学の誕生の歴史的経緯にその理由があるようです。
物理学と経済学は、従う論理が同じなら、同じ理論になるはずです。
物理学では、質点の力学から論理的思考によるプロセスを経て、統計力学への発達が実現した。
経済学の場合、古典経済学の時代に、天才ケインズが、何の予告もなしに突然にケインズ経済学を作った。
経済学者達は、この断絶に今でも対応できていないようです。
需要と供給という用語は、ミクロ経済学とマクロ経済学では、異質の概念のはずです。経済学者達は、この事を理解していなかったようです。
マクロ経済学における総需要は、ポテンシャルの概念に近い。
経済学者のうちの誰かが物理学を専攻したクラスメートから説明を受けたら、簡単に理解できていただろうとは思います。
合成の誤謬は、ベクトルの特徴です。個々の気体粒子の運動は、大きさと向きにより決定する。向きが異なれば、単純に加算できない。運動を、XYZの三軸方向に分解し、各軸ごとに加算する。
物理学の学士なら、常識的な事です。
経済学者達は、マクロ経済学における量が統計量である事を理解しない。その為に、マクロ経済学から現実の実態を表現する要素が棄却されている理由を理解しない。だから、現実の社会の実態からマクロ経済を予測する事をしない。
それゆえに彼らは、金融緩和しか提案できない。
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No.309 償還期限なし、利率ゼロの国債の、中央銀行による直接引き受け。政府は調達した資金で、国家プロジェクトを遂行する。
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