NO.197 スリランカのハンバントタ港(Magampura Mahinda Rajapaksa Port)が中国の国有企業の招商局港口(China Merchants Port)に99年間リースされた事が意味する事
スリランカと一帯一路(Belt and Road)
中国の一帯一路(Belt and Road)の典型的な融資の手法
スリランカのハンバントタ港(Magampura Mahinda Rajapaksa Port)が、インフラ整備の為に、中国から巨額の融資を受けた。この融資が返済不能になった為、ハンバントタ港(Magampura Mahinda Rajapaksa Port)の運営権が期限つきで中国国有企業の招商局港口(China Merchants Port)に引き渡された。
巨額の融資を行い、その融資の返済が不能になったら、融資対象の引き渡しを要求する。これが、中国の一帯一路(Belt and Road)の典型的な手法と言われているようです。
「債務の罠」と表現されて、警戒する人々も多いようですが、融資を受けるサイドの人達にとって、利益は大きいでしょう。
ハンバントタ港(Magampura Mahinda Rajapaksa Port)の招商局港口(China Merchants Port)は、スリランカにとられた人質である。
ハンバントタ港(Magampura Mahinda Rajapaksa Port)を例にとりましょう。スリランカの人達にとって、ハンバントタ港(Magampura Mahinda Rajapaksa Port)の運営は難しかった。スリランカの人達は、この港を適切に運営するスキルを有していなかった。招商局港口(China Merchants Port)は、ハンバントタ港(Magampura Mahinda Rajapaksa Port)の運営を引き受けてくれた。
一つ指摘する。中国は、ハンバントタ港(Magampura Mahinda Rajapaksa Port)から得られる利益を、スリランカとシェアをする必要があります。
スリランカは、ハンバントタ港(Magampura Mahinda Rajapaksa Port)の招商局港口(China Merchants Port)の資産をいつでも凍結できる。ハンバントタ港(Magampura Mahinda Rajapaksa Port)の招商局港口(China Merchants Port)は、スリランカにとられた人質に等しい。
南沙諸島に拠点を置く中国海軍が、この資産凍結解除を、武力で断行する事は困難だろう。
南沙諸島からスリランカは遠い。南沙諸島からスリランカへの軍事作戦を行う事自体が困難である。アメリカやインドは、中国海軍が、それほどの能力を得る事を許さない。
そして、インドとアメリカは、中国による武力行使をチャンスと捉えて行動に踏み切るだろう。
インドは、スリランカに対する影響力を、中国から取り戻そうとする。アメリカは、一帯一路(Belt and Road)を挫折させようとする。
スリランカ政府が、この情勢のマネジメントを適切に行い得ないのならば、為政者としての資格に欠ける事を意味する。
中国に拠点を提供する一帯一路(Belt and Road)参加国は、利益を保証される。
中国が、一帯一路(Belt and Road)の広大なエリアに、運営権を有する拠点を数多く獲得したとしよう。この中国拠点に対する資産凍結は、本来その中国拠点を所有する全て国々が、実行し得る手法です。
中国は、一帯一路(Belt and Road)に参加する全ての国々に、利益をシェアしなければならない。
中国政府は、他国との経済協力関係を、「ウィンウィンの関係。」と言い続けてきた。
中国政府は、この方針を、中国の行動により貫徹するでしょう。「中華の栄光。」を証明する為です。
その最大の目的は、国際社会の国々からの信頼を獲得する事です。国際社会の国々からの信頼を獲得する事が、一帯一路(Belt and Road)の成功の鍵です。
最後に、中国の一帯一路(Belt and Road)に、拠点の運営権を譲った国が得られる利益について言及しましょう。香港は、イギリスから中国に返還されました。今の香港の繁栄は、イギリスから受け継いだものです。
同じ事が、一帯一路(Belt and Road) に運営権が提供された拠点にも生起するでしょう。
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