NO.190 大恐慌対策としてのケインズ政策
ケインズ政策の原理
大恐慌の症状について。
大量の失業者が発生する。失業者は、商品を購入できないから、多くの企業の業績が悪化する。業績が悪化した企業は生産の規模を縮小させる。その際に、その企業は労働者を解雇する。更には、その企業そのものが倒産する。その為に、さらに大量の失業者が出現する。その為に、更に更に多くの企業の業績が悪化する。
大恐慌対策としての政府によるケインズ政策
政府が投資事業を行なって失業者を雇用し、賃金を支払う。すると賃金を支払われた元失業者は、再び商品を購入するから、多くの企業業績は回復し、経済は再び好循環を始める。
ケインズ政策のエッセンスは、失業者を雇用して賃金を支払う事にある。この目的の為の投資事業を行う事がケインズ政策である。
ケインズ政策の原理は、マクロ経済学により説明できます。
参照記事
この参考記事より、マクロ経済学について、概要だけ述べます。
GDP = 総投資 + 総消費
総投資は、国内全体で購入された投資材の付加価値の合計
総消費は、国内全体で購入された消費財の付加価値の合計
付加価値とは、経済学の用語で、商品の生産において生産される価値の金額。商品の生産においては、原材料の段階では存在していなかった価値がゼロから創造されて商品に付加されます。この商品に付加される価値の価格を付加価値と呼称します。
付加価値 = 商品の販売価格 - 全てのコスト
投資材も消費財も産業が生産する商品です。両者の違いは、その商品が、産業の生産に使われるか、そうで無いかの違いです。
経済成長の鍵は、産業が生産する商品が購入されて、代金が支払われる事にあります。
国内全体で、どれほどの規模で商品が購入されて代金が支払われたかが、経済成長の鍵です。
ケインズ政策によるGDPの成長は、次のようになります。
GDP = 総投資 + 総消費 + ケインズ政策分
このケインズ政策分だけ、 GDPは拡大します。
GDP = 国内総生産 = 国民総所得
「生産された付加価値が供給されて誰かの所得となる。」こんな風に、説明されていました。
国内全体で販売された商品の、付加価値の合計が、国民総所得。
総投資は、生産財を生産した労働者に支払われた賃金の合計
総消費は、消費財を生産した労働者に支払われた賃金の合計
ケインズ政策分は、ケインズ政策による投資事業で雇われた元失業者に支払われた賃金の合計。
失業者を雇用する投資事業の主体。失業者を雇用する投資事業の資金の調達方法。
この投資事業の主体は、誰でも構わない。政府が、この投資事業の主体である必要はない。資産家が、慈善事業として、この投資事業を行なうことを僕は期待します。
ヨーロッパやアメリカには、アニメサンダーバードに共感を認識する人達は多いでしょう。ヨーロッパやアメリカには、今ものブレスオブリッジの理想が受け継がれていると思う。
政府でなくて、一企業が、この投資事業を行なっても構わない。
ケインズ政策で重要となる点は、失業者を雇って賃金を支払う為の投資事業の財源に、何を利用するかです。
日本政府は、税金をケインズ政策の財源として利用するが、この方法では効果は無い。
税金を使ったら、ケインズ政策の効果は無い。税金を徴収された規模だけ、個人や企業は商品を購入できなくなる。税金の規模だけ、総投資と総消費は収縮する。そして、その収縮分がケインズ政策分にシフトする。GDPは、変わらない。
ケインズ政策の資金は、借金して調達する。
中央銀行による国債引受。政府が国債を新規発行して、その国債を中央銀行が買い取る。中央銀行は、その際、新たに通貨を発行して国債を買い取る。
現在の超低金利環境なら、政府が新規発行した国債を、資産家達に購入してもらう事は有効です。
現在の世界大恐慌は、資産家達の資産の金融市場での資産運用が原因でしょう。超低金利環境の為、全世界的に、通貨の社会への供給量が巨大化している状態でしょう。その通貨の大半が資産家達に分配されるダイナミズムが世界金融に組み込まれているでしょう。
その為に、労働者の賃金に比較して、家賃価格が高騰する。労働者は、家賃負担のために商品の購入を収縮させる。その為に、多くの企業の業績が悪化する。
ケインズ政策の為の国債を、資産家達に購入して貰いましょう。
それ以上に望ましい事は、資産家達が、自発的に、失業者を雇用する目的の投資事業を行う事です。
資産家達が世界金融から資金調達をして、失業者を雇用することを目的とした投資事業を行うことを期待します。
一企業が金融市場で、金融技術を駆使して、この投資事業の事業資金を調達することも、可能性の一つだと思います。
僕は過去の記事で、サウジアラビアの国営企業のサウジアラムコが、この投資事業を行う可能性について述べました。
サウジアラムコの目的は、Dar ar-Isramの建設です。
Dar ar-Isramの建設は、イスラム教の目的です。
Dar ar-Isram
サウジアラムコが、証券市場で株式を公開します。サウジアラムコの株式公開の目的は、Dar ar-Isram建設の資金調達をする為ではないかと思いました。
重要な点は、サウジアラムコのこの行動の動機が、宗教的動機である事です。サウジアラムコは、この目的実現の為に、全ての力を投入するでしょう。サウジアラムコは、いかなる犠牲を代償としてでも、この目的を実現させるでしょう。
サウジアラムコの資産価値は200兆円。サウジアラムコは、少なくとも200兆円の、Dar ar-Isram建設のための投資事業を行うでしょう。
その結果、中東からアフリカ全土に及ぶ経済圏が建設されるでしょう。
この経済圏では、中東とアフリカの全ての民族の人々が、民族の伝統、安住の世界、そして雇用を保障される。
中東アフリカ全土の全ての民族の人々が、この経済圏を支持する。
全てのイスラム教徒が、サウジアラムコが建設した経済圏がDar ar-Isramである事を知る事になるでしょう。
全てのイスラム教徒がDar arーIsramを支持し、Dar ar-Isramに協力するでしょう。イスラム原理主義者による自爆テロは、無くなるだろうとも僕は思っています。
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