NO.189 超低金利環境における大恐慌。中国とインドとイスラム社会。
2019年。超低金利環境の大恐慌は、誰も経験した事が無い。誰が阻止するだろうか?
恐らく、ヨーロッパとアメリカ以外の人達だろうと思います。超低金利環境における大恐慌を解決する事に対して、キリスト教社会の人々は宗教的な大きな制約を受けるだろうからです。
例えば、キリスト教社会の人々は、ケインズ政策に対して、精神的に大きな抵抗があるのでしょう。ケインズ政策は、禁欲的プロテスタンティズムの職業倫理に違反すると解釈する人は多いのでしょう。
この事は、そのクリスチャンが聖書をどう解釈するかにより決まる事だとは、思います。
世界経済システムも、経済学も、キリスト教社会で生まれ、キリスト教社会で成長してきました。
世界経済システムも、経済学も、今までキリスト教における宗教的な制約を受け続けてきたと思います。
キリスト教社会の人々は、世界経済システムにおいても経済学においても、多くの問題を解決し続けてきたでしょう。
そして、現在、宗教的制約の為に解決が困難な問題が、残されていると思います。
大恐慌も、その一つでしょう。
キリスト教社会以外の人達、例えば、中国、インド、イスラム社会の人々は、キリスト教社会で生まれた経済学を学習します。
そして、キリスト教社会以外の人達は、キリスト教による宗教的な制約から自由です。
中国、インド、イスラム社会の人々は、ケインズ政策を実施する事に対して、宗教的な制約からは自由でしょう。少なくとも、彼らには、この利点があります。
そして、キリスト教社会の人達とは別の独自の視点で、大恐慌を観察します。
問題解決のイノベーションの可能性もあると思います。
キリスト教社会の人々は、今まで、様々な問題を解決してきました。キリスト教に固有の制約のために解決困難な問題を、キリスト教社会以外の人々に解決を託しましょう。
大恐慌に関する、キリスト教固有の制約について。
詳細は、次の記事を参照。
ここでは、概要だけを述べます。
キリスト教社会の職業労働を行う人達は、経済は市場の自由に委ねるべきであると強く信じていると思います。
これは、宗教的なイデオロギーです。
禁欲的プロテスタントは、職業労働を神様の命令であると解釈します。人が神様の御心に適うなら、天地の法則に従った現象が推移する事により、全ての苦難が解決される。
この予定調和(Monad)を、禁欲的プロテスタントは信じているのだと思います。
2019年の時点の世界経済は、市場原理に完全に委ねると大恐慌に突入する事は避けられません。
しかし禁欲的プロテスタントは現時点でのイデオロギーにより、世界経済を完全に市場原理に委ねる選択しかできません。
ただし、禁欲的プロテスタントが、イデオロギーを修正する可能性は十分に有ります。
キリスト教社会以外の人々による大恐慌対策。
中国
中国の目的は、一帯一路(Belt and Road)の実現です。
中国は、一帯一路(Belt and Road)の実現の為に、全ての行動を目的合理的に構成するでしょう。
この目的の為に、必要な経済政策を実行するでしょう。
中国は、大恐慌阻止にケインズ政策が有効であると判断したら、これを実行するでしょう。
イスラム社会。
Dar al-Isramの建設は、イスラム教の目的です。
Dar al-Isramの建設の為に、イスラム教徒がケインズ政策などの大恐慌対策を行う可能性はあると思います。
ただし、イスラム教徒が、コーランやイスラム法をどう解釈するかにより決まります。
インド
インドが大恐慌にどう対処するかについて、僕は、全くわかりません。ただ、僕が現時点で想像もできない施策を実行する可能性は高いと思います。
インドの哲学は、世界最高水準の思想体系の一つとされています。インドは、インドの哲学を建設した知性を生み出した国です。インドは、仏教を生み出しました。
インド人の数学の能力は、世界最高水準です。
インドの傑出した知性は、大恐慌対策を生み出すでしょう。
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