NO.183 僕のマクロ経済学。経済成長の原理。異端かも。
マクロ経済学のエッセンス
産業が生産する商品が、代金が支払われて購入される事。
「産業が生産する商品が、代金が支払われて購入される事。」これが、原点です。
「経済全体で、産業により生産される商品が、如何に大規模に購入されるか?」これが経済成長の鍵です。
僕は、マクロ経済学のテキストを読んだ事はありませんが、マクロ経済学のエッセンスについて説明を聞く機会がありました。
これから、このマクロ経済学のエッセンスに従って話を進めます。
生産された付加価値が供給されて人々の所得となる。
「生産された付加価値が供給されて人々の所得となる。」
産業における商品の生産では、生産された商品には、原材料の時点では存在して居なかった価値が創造されて、商品に付加されます。
マクロ経済学では、この商品に付加された価値の価格を、「付加価値」と呼称するようです。
付加価値 = 商品の販売価格 - 原材料費等の全てのコスト
この「付加価値」は、必ず誰かの「所得」になります。
国内総生産(GDP) = 総投資 + 総消費
ここで、総投資とは、国内全体で購入された投資材の「付加価値」の合計。総消費とは、国内全体で購入された消費財の「付加価値」の合計。
マクロ経済学のエッセンスは、これに尽きます。僕は、そう理解します。
ここまでのマクロ経済学による結論
財政出動は、無駄遣いでも問題はない。
上のGDPの式は、総消費も総投資も経済成長を実現させる事を示している。個人消費は、経済成長を実現させる。個人消費は、生産活動に寄与しない。個人消費は、無駄遣いです。個人の無駄遣いが経済成長を実現させるなら、政府の無駄遣いも経済成長を実現させる。
重要な点は、「代金が支払われて、商品が購入される事」です。
経済政策は、借金をしなければ効果がない。
「経済成長は、国内全体で、どれだけの規模の商品の購入が為されるかにより決まる。」上のGDPの式は、この事を示して居ます。
言い換えると、政府と民間の合計で、商品を購入するための資金がどれだけの規模があるかにより、経済成長は決まる事になります。
政府が税金を徴収したら、税金の規模だけ民間の商品の購入財源が縮小します。
「民間による商品購入の規模が縮小した規模だけ、政府が代わりに商品を購入する。」これが、政府が経済政策の為に税金を利用することの意味です。
「中央銀行による国債引き受け」によるケインズ政策。
政府が借金をして行う経済政策の例として、「中央銀行による国債引き受け」によるケインズ政策を挙げましょう。政府が国債を発行する。中央銀行が新たに通貨を発行して、その通貨を国債購入の代金として政府に支払う。
政府が国債発行による財源で公共事業を行い、失業者を雇用して賃金を支払う。
上のGDPの式は、次のようになります。
国内総生産(GDP) = 総投資 + 総消費 + 財政出動分
この財政出動分だけ、GDPが成長します。
経済成長が実現したら、政府の税収も成長するから、政府は借金を返済します。
経済成長の背後で、何が起こっているか?
マクロ経済学は、現実の社会の実態を、一切関知しません。
ある国の、ある年のGDPと、その国の次の年のGDPを比較して、経済成長が実現して居た事を知る事はできます。
しかし、現実の社会で何が起こって経済成長が実現したのかは、マクロ経済学からは知る事ができません。
GDPが成長した時、現実の社会では、イノベーションが起こっていると僕は思います。
産業における生産活動では、新たな価値が創造されて、商品に付加されます。この価値の創造は、ゼロからの創造であり、この価値の金額分だけ、新たに通貨が発行されることになる。
多くの人々が購入を必要としている商品があるとします。しかし、産業には、その必要に応えるだけの生産設備が無いとします。人々は、その生産設備の生産能力分だけしか、その商品を購入する事はできません。
GDPにおける総消費の規模は、生産能力による制約を受けます。
産業が設備投資をして生産能力を拡大すれば、人々のニーズに応じた規模の商品を提供できる。GDPにおける総消費の規模は、生産能力の制約から解放されて拡大する。
産業にイノベーションが実現して、新たな商品が開発されれば、その商品への人々のニーズの規模だけ、新たな規模の消費が上乗せされる。
総消費 = 既存の総消費 + 新たな商品による総消費
経済循環
人は、産業の生産活動に従事して賃金を支払われて所得を得る。所得を得た人は、産業が生産販売する商品を購入し、代金を支払う。
生産した商品が購入された産業は、収益を得て、労働者に賃金を支払う。賃金を支払われて所得を得た人は、次の商品を購入する。
この事の繰り返しにより経済循環が成立し、経済は成長する。
大恐慌(Great Depression)は、この経済循環が断ち切られる事により生起します。僕は、そう思って居ます。
マクロ経済学は、経済循環が成立している経済を取り扱います。したがって、大恐慌(Great Depression)に対する対策は、マクロ経済学では取り扱えません。僕は、そう思って居ます。
大恐慌(Great Depression)と不況(Recession)。
大恐慌(Great Depression)と不況(Recession)は、異なります。
不況(Recession)は、一時的な経済の不調です。人々の商品に対するニーズが、一時的に収縮して、商品が購入されなくなる。しかしながら、その商品の買い替えの時期がきたら、その商品は再び購入されるようになる。
その時には、在庫が処分されるようになる。
ここで、その商品がモデルチェンジしたら、旧モデルの在庫は売れないのでは無いかという疑問が生まれそうです。
生産した商品を在庫として倉庫に保管することも、最初から生産を抑制する事も、経済学では在庫として扱うんじゃ無いかなと思います。
大恐慌(Great Depression)は経済の破壊です。何らかの原因で、経済循環が断ち切られます。
現在の世界経済には、小数の富裕層に、富の大半を配分するダイナミズムが組み込まれてしまっている。
アメリカの中産階級の人々にも、企業に雇用されて賃金を得ているのに、物価が高く不動産価格が高騰してホームレスになる人が増えている。
本来、もっと多くの富の配分を受けるべき人々が、適正な富の配分を受けて居ないのでしょう。
現在、安価な中国製品がアメリカ社会に供給されている。にも関わらず、アメリカ社会の中産階級の人達は、物価の安さを実感できないのかも知れない。
貧富の格差(Economic inequality)が拡大を続けると、突然に経済循環が断ち切られるでしょう。経済は、デフレスパイラルに陥り崩壊する。
それが大恐慌(Great Depression)でしょう。
Lady MさんへのMessage
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