NO.155 アメリカに社会主義を支持する若者が増えている。 彼らは、成功のチャンスが無いと認識している。 ケインズ政策の原理を利用した対策の提案。 ・・・ テーマラベル : MMT。年金国債。日本銀行の直接国債買取によるケインズ政策。これらはマクロ経済学の原理に適っている。,アメリカに関する問題提起 カテゴリーラベル: マクロ経済学
アメリカに社会主義を支持する若者が増えている。
彼らは、成功のチャンスが無いと認識している。
ケインズ政策の原理を利用した対策の提案。
個人の成功は、勤勉な自助努力により獲得されなければなりません。しかし、両親や、周囲の人達の援助は、不可欠でしょう。
返済の義務のない奨学金を受給できる人は、たった一人です。その受給者も、受給資格を得る為の学力の向上には、親の援助が必要だったでしょう。
今のアメリカ社会では、そうした周囲の援助を受ける事ができない若者の数が増加している可能性を、僕は想定します。
原因は、世界経済の構造にあると、僕は推測します。
現在の世界経済の構造は、資本主義経済のイデオローグの人達により、建設されました。
資本主義経済のイデオロギーは、禁欲的プロテスタントの職業倫理を基礎として、形成されました。
資本主義経済のイデオローグの人達は、職業労働による自己の利益を最大限にするように努力し続けました。
彼らは、この事が、神の御心に適う事であると聖書を解釈しました。
ここでは、別の解釈の余地があるとだけ、言及しておきます。そして、聖書の解釈は、一人一人の解釈が、尊重されるべきものでしょう。
僕は、この事を述べた上で、以下の提案をします。
現在の世界経済では、ごく少数の資産家達に、世界の殆どの富が集まります。その結果、ほとんどの人々が、貧しさに陥ります。
現在の世界経済は、この事を実現させるダイナミズムに支配されています。
その為に、アメリカの勤勉な若者にも、成功のチャンスを得られない人達が増加しているだろうと、僕は推測します。
それ故に、僕は、ケインズ政策の原理を利用した対策を提案します。
ケインズ政策の目的は、金融機関から投資資金を調達し、投資事業を行い、それにより労働者を雇用して賃金を支払う事です。
所得を得た人は、その人の息子や娘に、教育を受ける機会を提供する事ができる。
今までの国際社会では、現実的には、この投資事業を行う主体が各国の政府しか存在しなかった。
しかしながら、この投資事業を行う主体は、誰であっても構わない。例えば、事前事業を行う資産家でも構わない。
イスラム社会の企業ならば、禁欲的プロテスタントの職業倫理の制約を受けないでしょう。
このイスラム企業の行動が、キリスト教における隣人愛に相当すると評価されるなら、キリスト教徒は反対しないでしょう。
投資資金の調達の方法は、政府が国債を発行することによるものだった。
ヒトラーのケインズ政策の場合は、発行された国債を、中央銀行が購入した。
ルーズベルト大統領のケインズ政策は、発行された国債を、資産家達が購入した。
投資資金の調達方法は、金融市場で、信用創造(Money Creation)の手法が可能であるはずです。
投資事業の主体が国家である場合は、この信用創造(Money Creation)の手法は、倫理上禁止されるでしょう。
投資事業の主体が国家でない場合は、この投資事業の資金調達の手法として、信用創造(Money Creation)の手法が可能でしょう。
僕は、以前の記事で、サウジアラビアの国営企業であるサウジアラムコ社が、この投資事業を行う可能性について言及しました。
サウジアラムコ社が行うであろう投資事業が、イスラム法で預言されているDar_alIsramである可能性について、僕は言及しました。
イスラム法は、コーラン(Quran)を解釈して作成されています。従って、イスラム法を、イスラム教徒はアッラーの預言であると理解するでしょう。
アッラーの預言は、実現するまでは、イスラム教徒は、具体的には何であるかを知る事ができないでしょう。
そして、この投資事業がDar_alIsramであると評価されたら、イスラム教徒は、これを支持するでしょう。
アメリカ国内での、イスラム企業による投資事業は、難しいでしょうが。
テレビ映画のサンダーバードは、イギリスの大富豪ジェフ・トレーシーによる慈善事業を描いた作品です。
ジェフ・トレーシーは、Noblesse obligeによる義務を自覚し、私財を投じて国際救助隊(International Rescue)を設立し、運営します。
テレビ映画のサンダーバードが制作された事は、キリスト教社会に、Noblesse obligeの理念が、現在も受け継がれている事を意味するでしょう。
キリスト教社会における資産家達が、Noblesse obligeによる、この投資事業を遂行する事を期待したい。
これは、弱者に対する施しでは無い。投資です。この投資事業により、成功のチャンスを得た若者が、次の時代の若者達にチャンスを与える。
社会は、一部の資産家達や一部のエリート達だけで維持され得ないでしょう。
無名の様々な人々が、様々な役割を果たす事により維持され、そして、発展を遂げる。
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