NO.111 東京電力福島原子力発電所事故の刑事裁判の判決について。 「想定外だから我々に責任は無い。」が、肯定された。 ・・・ テーマラベル : 日本政府の危機管理能力の不在。致命的でしょう。
東日本大震災の津波により、東京電力の福島第2原子力発電所の原子炉の制御設備が破壊された。その為に、制御不能となった原子炉がメルトダウンに陥り、周辺の広域に放射能汚染が引き起こされた。
この事故において、東京電力の当時の最高経営責任者3人に対する刑事裁判が争われていた。東京地方裁判所は、この3人の無罪を判決をした。
この原発事故は、発生当時、国際的に批判が高かった。経営陣達は、「今回の事故は、想定外の原因により起こったから、我々に責任は無い。」と主張して、最初は、公にも肯定された。
「想定外だから我々に責任は無い。」今回の判決により、この事が、肯定された。
裁判での争点は、当時の経営陣達が、津波被害を予想できたかできなかったかだった。
津波被害を予想できたのに、原子炉の緊急停止の措置を取らなかった事に対しては、過失としての刑事責任が問われる。
原告側は、「過去の事例から判断して、津波被害は予想できた。」と主張した。
被告側は、「過去の事例からの判断では、津波被害は予想できなかった。」と反論した。
今回の判決の真の意味を、日本政府も、日本のマスコミも、日本の有識者達も、全く理解していないだろう。
今回の判決を、国際社会がどう評価するかを、日本の者達は、全く理解していないだろう。将来も、理解する事は無いかも知れない。
日本社会には、「無限責任。」という概念が存在しないのだろう。
そして、国際社会が注目している事は、この点だろう。
イギリスのロイズの船舶保険は、無限責任の原則により保障をすると聞いています。
国家の最高責任者の責任は、無限責任だろう。
原子炉事故は、社会的、世界的に重大すぎる被害を引き起こす。そのような設備を保有する機関の最高責任者の責任も、無限責任だろう。
この原発事故を、事前に想定し得たか、し得なかったかが問題では無い。原発事故が生起した事自体が、問題なのだ。
原発事故が生起した事自体が、最高責任者の過失責任となる。
これが、最高責任者の無限責任である。
国際社会は、こう認識しているだろう。
だから、この裁判で、「当時の経営者達が、津波被害を想定し得たか、し得なかったか。」を争点にしている時点で、国際社会は結論したでしょう。
「日本の指導者達は、無限責任を理解していない。」と、国際社会は、結論したでしょう。
国際社会は、「日本の指導者達は、知能を持たない。」と結論するだろうと思います。
国際社会は、「日本の指導者達は、知能を持たない。」事を前提として、行動を選択するだろうと思います。
僕は、敢えて、こういう言い方をしましょう。
「日本の指導者達は、知能崩壊を起こしている。」とは、決して言いません。「知能崩壊をした。」のならば、崩壊する前は知能が存在していたことを意味します。
ならば、知能崩壊後も、知能の痕跡は残されている可能性がある。
それならば、「想定外。」に対して、危機意識を抱く可能性はある。
最初から知能が存在しなければ、「想定外。」に対して、危機意識をいだく可能性はゼロである。
日本政府が、「無限責任。」を自覚していれば、今回の千葉県の大停電により、今後明らかになってゆくだろう破局を回避できただろう。
「無限責任。」を認識する指導者は、「何処に、想定外が潜んでいるかわからない。」と認識するだろう。
いつ、自分が想定していなかった原因で、破局が引き起こされるかわからない。
「無限責任。」を認識する指導者は、常に想定外の原因の存在を想定し、感覚を研ぎ澄まし続ける。
今回の千葉県大停電においても、日本政府が「無限責任。」を認識していれば、速やかな初動で対応していただろう。
千葉県全域で、3日間の停電が継続した。この事は、致命的な事態を引き起こしたはずだ。
例えば、家畜の大量死が生起していたら、家畜の死体は腐敗をどうすることもできず、伝染病の発生の原因になっただろう。
通信手段が途絶えたから、破局の連絡が、千葉県外に為される事はなかった。
今の日本政府は、事前に想定していた事柄に対してしか、対応しようとしていない。
今回の千葉県大停電は、日本政府にとって、想定外の事態を引き起こした。
日本政府は、「想定外の事態。」が生起する可能性を想定する事がないから、何が生起しているかについて、可能性すら、気がつかない。
日本の者達が、何を発言しようとも関係がない。国際社会が、どう評価するかが全てだ。
国際社会の意思は、現実の行動として、明らかになるでしょう。
日本サイドが、福島産の食品について、どんなに「風評被害。」を訴えても、一切無駄でしょう。
国際社会は、日本による検査を、一切信用しなくなるだろう。「日本が行なった検査には、何処に想定外の不備があるかわからない。」
彼らは、そう結論するでしょう。
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