NO.101 サウジアラビアの国営企業が実現する、ケインズ政策におけるイノベーション・・・ テーマラベル : サウジアラムコの200兆円の信用創造(Money creation)が建設するDar al-Islam。カテゴリーラベル : マクロ経済学、宗教社会学、ジハード
イスラム社会は、ケインズ政策における、新たなイノベーションを実現させるでしょう。
このイノベーションは、今のキリスト教社会には、困難でしょう。その理由は、キリスト教社会の人々は、禁欲的プロテスタンティズムの職業倫理に、大きな発想の制約を受けるからです。
ここで、補足的に言及をします。
この職業倫理は、禁欲的プロテスタントが行なった聖書の解釈により、成立しました。
この職業倫理が成立した理由については、マックスウェーバーの「プロテスタンディズムの倫理と、資本主義の精神」で、説明され得ると思います。
重要なテーマですので、後日、言及する時が来ると思います。
ここでは、一点だけ言及します。
未来の禁欲的プロテスタントは、異なった聖書の解釈を行う事は、有り得ると思っています。
その新解釈は、革命的なものになるかも知れません。
三位一体説が適切か否かは、キリスト教における重要なテーマでしょう。
子と聖霊は、創造者の範疇に所属するでしょう。しかし、子と聖霊は、父とイコールであるか否かは、別の問題でしょう。
未来の禁欲的プロテスタントは、聖書の解釈の変更をするかも知れません。
その時には、キリスト教社会の人々は、今の禁欲的プロテスタンティズムの職業倫理による発想の制約から、解放されるでしょう。
その結果、この記事で言及する、ケインズ政策のイノベーションが、キリスト教社会の人々にも、可能になるでしょう。
簡単な事では無いとは、思います。新約聖書は、破天荒な天才的知性により書かれた書物と思います。
そして、聖書を解釈してきた人々は、優れた知性の持ち主だったはずです。
その優れた知性の持ち主が辿り着いた結果が、今の聖書の解釈でしょうから。
ケインズ政策は、キリスト教社会の人々のアイデアです。従って、禁欲的プロテスタンティズムの職業倫理に、強く発想の制約を受けています。
禁欲的プロテスタンティズムでは、職業労働を、神様の命令と解釈します。
そして、職業労働で得られた利益を、その人が、神様に祝福されている証拠であると解釈します。
個人の資産は、その人が神様から管理を託されたもので有り、その人は、資産を少しでも多く増やす義務を負う。
余談ですが、「プロテスタンティズムの倫理と、資本主義の精神。」には、この職業倫理により、個人の金銭欲が肯定される結果になった事が、記載されています。
で、この職業倫理による制約の為に、キリスト教社会では、ケインズ政策の主体が、政府に限定されることになった。
ケインズ政策のエッセンスは、次のようなものであると、僕は判断します。
政策実施者が、金融から資金調達をする。政策実施者は、その資金を使って、投資事業を行う。
政策実施者は、労働者を雇って、その事業に従事させ、賃金を支払う。
労働者達は、得られた所得から、商品の購入を行う。
この事により、経済循環が成立する。
経済成長は、企業が生産する商品が、どれ程活発に購入されて、代金が支払われるかにより決まる。
産業におけるイノベーションは、業績を上げた企業が、自らの成長の為の為の技術革新を成し遂げることにより、実現する。
強力な経済循環が、この経済成長を、実現させる。
キリスト教社会では、禁欲的プロテスタンティズムの職業倫理による制約の為に、ケインズ政策の実行者は、政府に限定されます。
そして、資金調達の方法も、中央銀行による買いオペレーションに限られます。
政府が国債を発行する。
中央銀行が、新たに通貨を発行し、その国債を購入する。
政府は、国債発行による資金を財源として、公共事業を行う。
資産家達に、国債を購入してもらう方法もありますが、十分有効には、なり得ないでしょう。
キリスト教世界では、経済問題の解決を、市場原理に委ねるようです。「神の見えざる御手に委ねる。」との思想の為でしょう。
政府が行う政策は、実質的に、金融緩和だけです。
金利を可能な限り引き下げる。更には、中央銀行が、資産家や企業が保有する国債などを購入する。
その代金として、新たに通貨を発行して支払う。
資金を得られた企業や資産家達が、活発に商品を購入する事を期待する。
しかし、現実には、強力な経済循環は形成されるとは限りません。
少数の資産家達に、世界の富が集中してしまい、世界規模で貧困(Poverty)層が拡大するかも知れません。
その結果、世界経済は、大恐慌(Great Depression)に突入する。
この事は、過去の記事で、何度か言及しました。
この点、イスラム社会の人々は、禁欲的プロテスタンティズムの職業倫理の制約から自由です。
独創的なケインズ政策を実現するでしょう。
サウジアラビアの国営企業のサウジアラムコは、株式公開(Initial public offering)の計画を公表しました。
サウジアラムコは、株式公開(Initial public offering)の目的を、明かしては居ないでしょうが、ケインズ政策の実行者となる事が、サウジアラムコの意図だろうと推測します。
イスラム社会の人々は、宗教的使命感により、この独創的なケインズ政策を遂行します。
動機が宗教的使命感であるが故に、彼らは、強力な精神の力を得て、イノベーションを成功させるでしょう。
彼らのケインズ政策の目的は、ダール・アルイスラーム(dār al‐Islām)の建設です。
イスラム教徒は、イスラム教を布教する義務を負います。
布教の目的は、過去の記事で何度か言及した通り、ダール・アルイスラーム(dār al‐Islām)の建設です。
ダール・アルイスラーム(dār al‐Islām)について、僕は、以下の記述を唯一の根拠にしています。
インターネットのフリー百科事典のウィキペディアで、ジハードについて、調べてみました。以下に、引用します。
この記事は、日本の平凡社の世界大百科事典からの転機であるとの事でした。
著作権の問題は、解決されていると判断しました。
「イスラム法の理念では,世界はイスラムの主権の確立されたダール・アルイスラームでなければならない。まだその主権が確立されていない世界は,ダール・アルハルブdār al‐ḥarb(戦争世界)と定義され,そこではイスラムの主権が確立されるまでジハードが必要となる。」
ジハードの語源は、「努力。」らしい。世界平和を実現させる為に、イスラム教徒は、不断の努力をしなければならない。
この努力は、永久的に継続されなければならない性格のものらしい。
世界平和を実現させて、それを維持する努力は、人類が存続する限り、維持され続けなければなら無い。
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