NO.045 大阪府知事と、大阪市長が、NHKから国民を守る党(The Party to Protect the People from NHK)に関して、言及した。 ・・・ テーマラベル : 受信契約拒否者は「放送法は契約の自由を保障した日本国憲法に違反する」と裁判で争った, NHK映像スクランブル化のみが目的の政党が議席を得た,
この7月の参議院選挙で、名称が、「NHKから国民を守る党(The Party to Protect the People from NHK。略称N国党)」である新しい政党が、議席を一つ獲得しました。
この政党の結党目的は、ただ一つ。日本の公共放送であるNHKとの受信契約を結ばない人達に対して、NHKのテレビ放送映像のスクランブル化を実現させる事です。
この政党に所属する者の義務は、ただ一つ、この結党目的の政策実現に協力する事であり、それ以外の政策に関してどう取り組むかは、完全に個人の選択の自由に委ねられます。
日本の放送法は、テレビ放送を視聴できる設備を購入した人に対して、NHKとの受信契約の締結を強制します。
日本には、日本国憲法で定められている「契約の自由」を主張して、NHKとの受信契約を拒否し続ける人達は、少なくありません。
NHKは、受信契約拒否者に対して、放送法を根拠として、受信契約を結ぶ事を要求して、民事訴訟を行なっています。
訴えられた受信契約拒否者は、「放送法は、日本国憲法に違反している。」と主張して、抗弁し続けてきました。
2018年12月に、日本の最高裁判所で、「放送法は、合憲である。」と判決が為されました。
日本国民には、特定の個人や団体の主張に偏る事の無い、不偏不党の情報を知る権利がある。NHKは、不偏不党の情報を国民に放送する為に設立された機関である。
国民は、自らの「知る権利」を守る為に必要な費用を払わなければならない。NHKが放送する「不偏不党の情報」を知る権利が、国民には有る。国民の、この権利を守る為に必要な費用は、国民全員が平等に負担する義務を負わなければならない。
従って、放送法は、日本国憲法に照らし合わせて合憲である。
そのような趣旨の、最高裁の判決でした。
日本国憲法第97条は、人類が歴史の中で確立してきた、全人類に普遍であるとされるべき基本的人権を、日本国民に保障する事を、日本国に命じています。
個人が、自らの「知る権利」を守る為の方法を、自分自身で選択する自由は、個人の権利では無いと、日本の最高裁判所は、断定しました。
「思想の自由」は、個人の権利では無いと、日本の最高裁判所は、断定しました。
NHKとの受信契約は、NHKのテレビ放送を視聴する事を可能にする設備が設置された時点で、結ばれなければならなかったと判決された。
裁判を争った受信契約拒否者は、テレビ設備を設置した時点で、受信契約が成立していたと断定され、その時点からの受信料の納付が強制される判決でした。
N国党の政策の目的は、NHKとの受信契約拒否を希望する人達に、契約の自由を保障する事を、実現させる為のものです。
公人は、公的責任を負いますから、公人の公的責任に関しての批判を行う事は、正当であることを前提として、この記事を書きます。
ただ、このブログの目的は、個人を特定して批判する事では有りませんから、この記事では、具体的な個人名を挙げる事は控えます。
N国党の人達は、受信料のNHKへの支払いを、拒否し続けています。大阪府知事と大阪市長は、それぞれ、この事に対する激しい不満を発言した。
彼らの発言を、解析してみましょう。
彼らは、「こんなことが許されるのならば、真面目に受信料を支払い続けている人達は、愚か者である事になる。」と発言した。
受信契約は、民事の契約です。これは、双方の合意が為された事を前提として、なされる契約です。
彼らは、本人の意思に反して、契約を強制されたと発言したに等しい。
「全ての人々が、本人の意思に反して、契約を強制されている。」と、彼らは認識していると自白したに等しい。
NHKを支持して、自主的に契約した人達は、存在しているはずです。人が、支持している相手に対して、自発的にDonationを行う事は、珍しくない。
大阪府知事と大阪市長には、この認識がなかったのです。
彼らは、民主主義を支持し、基本的人権の尊重を支持して選挙に当選した為政者です。
従って、彼らには、市民の人権を保障する義務が課せられるはずです。
本人の意思に反して契約した人達は、脅迫される事により契約したのです。NHKの集金人は、「あなたが契約しない事は、法律に違反する。放送法に、そう定められている。」と発言して、契約を要求します。
殆どの人達は、法律で罰せられる事を恐れて契約します。
で、一度成立した受信契約は、契約者がテレビの廃棄をNHKに届け出るまで、その効力は停止されません。届け出が受理されるまで、その人には、受信料の支払い義務が課せられ続けます。
この事は、問題をより悪性にする要因となるでしょう。NHKに届け出た時点で、その人の情報は、NHKの記録に残るでしょうから。
その人は、本当にテレビを廃棄したのか?再度テレビを設置する事は無いのかを、NHKに証明し続ける義務を課せられるでしょうから。
大阪府知事と大阪市長は、こうした問題を放置し続けているのです。
そして彼らは、「こんなことが許されるならば、我々は、もう受信料をNHKに支払わないぞ。NHKは、N国党に対して、毅然たる態度を取れ。」と発言した。
受信料の支払い拒否は、N国党の政策理念に従ったものです。N国党は、自らの政策理念に従って、敢えて法律違反を選択したのです。
N国党は、政府から制裁を受ける事を顧みませんでした。
大阪府知事と大阪市長は、N国党の政策理念を侮辱とともに否定しました。
大阪府知事は、NHKの記者に対して、「契約したくなければ、契約しないことが許されるのか?」と問い詰めた。NHKの記者は、「駄目です!!」と即答で断定した。
大阪府知事は、「テレビを設置しただけで、受信料を支払わなければならないんじゃ無いのか?」と、記者を決問し続けた。
大阪府知事は、NHKの記者に、受信料を支払わない事の許可を要請しました。その記者は、要請を却下しました。
ここで一つ指摘します。大阪府知事と大阪市長は、日本維新の会に所属します。
日本維新の会の政策目的は、「道州制」の実現です。日本維新の会の政策目的は、日本国の各県に、アメリカ合衆国における州のような自治権を持たせようとするものです。
その為に、彼らは憲法改正を主張します。今、スペインのカタルーニャ自治州は、独立を求めてスペイン政府と激しく対立しています。
彼らは、同じ事を、憲法改正をして実現させようとしています。憲法改正を実現させるために、徹底した中央集権を信条とする自由民主党と、憲法改正を実現させる協力体制を選択しようとしています。
大阪が高度な自治権を獲得する事は、「大阪の事は、大阪の意思で決める。」事ですね?
そのような主張をしている彼らが、全ての事に対して、日本の中央政府の決定に従うスタンスを選択しているのです。
「テレビを設置した者は、NHKに受信料を支払わなければならない。」事は、誰が決めたのか?彼らは、この事に対して、問題意識を持つ事は無い。
ましてや、「放送法は、日本国憲法第97条に違反する。日本の最高裁判所は、日本国憲法第97条を無視し、憲法違反の判決をする。」事に対して、問題意識を持つ事などない。
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