NO.044 現代貨幣理論(Modern Monetary Theory、略称はMMT)は、異端説扱いだけど、マクロ経済学の理論に適っていると私は思います。 この理論によると、日本は今後も国債発行を続けても、問題はないらしい。 国債発行してもインフレ率が変動しないなら、経済規模が成長している事を意味するらしい。 ・・・ テーマラベル : MMT。年金国債。日本銀行の直接国債買取によるケインズ政策。これらはマクロ経済学の原理に適っている。カテゴリーラベル : マクロ経済学


現代貨幣理論(Modern Monetary Theory、略称はMMT)について、先日、ニュースが報じていました。
このMMTは、マクロ経済学の理論に適っていると、僕は、思います。

結論から先に述べます。
「 次の二つの前提が成立する場合には、政府がどんなに大規模に国債を発行し続けても、経済成長により政府の税収が成長して、政府は国債を償還できるから問題ない。

二つの前提とは、
1、発行された国債の殆どを、その国内の誰かが所有している事。
2、インフレ率が、既知の適切な上限以下である事。 」

産業が成長して、産業の活動の規模が成長して、経済の規模が拡大して経済活動の規模が拡大すると、それに応じて経済を循環する通貨の総量も拡大する必要があります。
経済の規模が拡大しても、供給されている通貨の総量が変わらなければ、商品価格は縮小します。

そして、経済の規模が変わらないのに、通貨の総量が増加すれば、商品の価格は上昇します。

日本経済の規模が拡大した際に、相応した規模だけ、日本銀行が新たに日本銀行券を発行して、日本経済に供給するのならば、商品の価格は上昇しません。


発行された国債が、日本国内の誰かに購入されるのならば、必ず、日本銀行が日本銀行券を新たに発行して、日本経済に供給しているはずです。

それにも関わらず、インフレ率の変動が、適切に抑えられているのならば、この事は、日本経済の規模が成長している事を意味します。

これから、僕が学んだマクロ経済学を用いて論じます。

僕は、以前の記事で、10数年前にマクロ経済学の研究者さん達が集まるBBSで、マクロ経済学について、初歩の事柄を教えてもらったと述べました。
次の事が、言われていたと記憶しています。

「生産された付加価値(Value added)が供給されて、誰かの所得になる。」

産業で行われる生産販売では、生産された商品には、原材料段階では存在していなかった価値が付加されています。


例えば、生産されたパソコンには、様々なデータ処理機能が、価値として付加されていますね?
このパソコンのデータ処理機能は、原材料であるシリコンやゲルマニウムなどの段階や、部品としての各素子の段階では、存在していませんね?
データ処理機能は、パソコンとして完成した段階で、初めて存在する事になる。

産業における商品の生産は、生産の前までは存在していなかった価値の創造を伴います。

この付加価値(Value added)とは、商品の生産活動で生み出され、商品に付加された価値のお値段です。
付加価値(Value added)は、その商品の販売価格から、原材料費や人件費などの全てのコストを差し引いたものです。

GDP(国内総生産= 国民総所得) = 総投資 +  総消費 

その国で1年間に、生産された付加価値(Value added)の総額が、GDP、即ち国民総所得です。


この付加価値(Value added)生産とは、お金の価値の創造であると理解します。GDPとは、その国の経済で1年間に生産された付加価値(Value added)の合計です。言い換えると、創造されたお金の価値の総額です。


過去の記事で、年金国債はマクロ経済学の原理に適っていると、僕は述べました。
「 政府が年金国債を発行して販売する。日本銀行は、その年金国債を、新たに発行した日本銀行券を代金として、購入する。政府は、支払われたその日本銀行券を財源として、年金を支給する。年金受給者が、支給された年金を使って消費を行う。 」

年金受給者が、支給された年金で消費する事は、総消費を拡大させる事ですから、GDPの成長になります。

過去の記事では触れなかったけれど、GDPの成長には、必ず、産業の成長、そして経済の規模の成長が伴っているはずなのです。

ここから先は、マクロ経済学のエコノミストは、指摘してくれないと思います。
現実の社会の実態は、マクロ経済学の論文には、現れてこないはずですから。
現実の社会の実態を統計処理した統計量を、マクロ経済学は取り扱います。統計処理をすれば、現実の実態の要素は全て、抽象化された統計量に置き換わります。
我々は、マクロ経済学で扱われている統計量から、現実の社会の実態を考察する必要があります。

個々の企業において、その企業を成長させる為に投資が行われます。企業経営者が、借金をして自己企業に投資しても、企業業績が成長したら、その企業は、借金を返済して、利益を得ます。
その企業の業績は、「その企業が生産販売する商品が、いかに活発に購入されるか?代金が支払われるか?」により決まります。

経済でも、同様です。
個人の消費や企業や政府による投資は、経済にとっては、経済を成長させる投資となります。

「産業が生産販売する商品が、いかに活発に購入されるか?代金が支払われるか?」・・・この事が、経済成長の鍵です。

経済政策としての財政出動の目的は、役に立つ用途に、投資をすることでは有りません。産業が生産販売する商品を、政府が購入して、代金を支払う事自体が、目的です。



ここでは余談になりますが、重要な事を一つ指摘します。この余談の部分は、マクロ経済学のエコノミストは指摘されると思います。・・・政府による支出が、無駄遣いであっても問題はない。

マクロ経済学の創始者であるケインズによる指摘です。「何もする事が無ければ、政府は労働者を雇って、お金を埋めて、再び掘り返させろ。」それで構わないと、彼の著書である一般理論には書かれているらしい。

「政府から賃金を支払われた労働者が、産業が生産販売をする商品を購入し、代金を支払う。」この事が、産業を成長させて、経済を成長させる。

個人消費は、無駄遣いそのものですね?個人消費は、得られた所得を、企業の設備投資のように、生産を向上させる目的には、使われません。しかしながら、個人消費は、経済を成長させる。
「産業が生産する商品が購入されて、代金が支払われる。」・・・この事自体が、経済を成長させる。

個人の無駄遣いが、経済を成長させるなら、政府の無駄遣いも、経済を成長させるはずです。

デフレスパイラル局面においては、この事は、有効な解決策を提供することになります。

デフレスパイラル局面においては、一方では、商品が売れなくなり企業は、生産の規模を縮小し、多くの在庫を抱え続けます。
他方では、企業が業績の悪化の為に労働者を解雇し、更には企業倒産し、膨大な数の失業者が出現します。

失業者が増える事は、所得を得られなくなって消費を行う事が出来ない人達が増える事だから、ますます各企業の業績は悪化し、ますます多くの在庫を抱えるようになり、あるいは、生産そのものを休止する。

その結果、労働者の更なる解雇が続出し、企業倒産も続出するから、更に失業者が増加する。
この悪循環に陥る。これが、デフレスパイラルで有ると理解しています。

デフレスパイラル局面では、失業者は、商品を購入する事を欲していても、所得が無い為に、商品を購入する事が出来ない。
失業者が所得を得たら、商品を購入するようになる。

だから、政府が公共事業を行なって、失業者を雇用して、賃金を支払って、彼らに所得を得させれば良い。
そうすれば、彼らが再び商品を購入するようになり、商品を販売した企業の業績は回復し、再び労働者を雇用して所得を得させるから、その労働者も商品を購入するようになり、更に様々な企業の業績が回復してゆくことになる。

大量の在庫を抱えた企業や、生産を縮小した企業から、政府が直接、商品を購入する事も有効です。
商品を政府に購入してもらった企業は、再び労働者に賃金を支払えるようになるから、その労働者が商品の購入を再開して、次々に企業の業績が回復してゆく事になる。

ここで、政府が人々の代わりに購入した商品は、そのまま廃棄してしまっても差し支えはないのです。
経済にとっては、「代金が支払われて、商品が購入される事。」が重要なのです。
食品を例にとりますと、購入された食品は、飲食されても、消費期限が過ぎて廃棄されても、経済にとっては関係が無い。

ここで、話を元に戻します。

「産業が生産販売する商品が購入され、代金が支払われる事。」・・・
これが、経済を成長させる、経済にとっての投資となります。
企業は、「生産販売する商品が、代金が支払われて活発に購入される事。」により、利益を得ます。

企業は、生産を拡大することにより、より大量の商品を生産販売する事が可能になり、より大きな利益が得られる場合には、自己投資をして生産設備を拡大させます。そして、その企業は、新たに労働者を雇用して、商品の生産販売に従事させます。
通常、必要な規模の自己投資を実現させる為には、借金により資金調達する必要があります。
企業は、自己投資をして生産販売の規模を拡大させ、総売上を成長させて、借金を返済した上で利益を残します。

ここで重要な事は、その企業が成長の潜在力を備えている事です。
生産活動が拡大すれば、十分な規模の売り上げを可能とする事ができる、価値の高い商品を生産する能力を、その企業が備えている事です。

そうした企業の成長に、十分な規模だけ、「代金が支払われて、その企業の生産販売する商品が購入される。」ことを実現させる。

その為の資金として、中央銀行に、新たに通貨を発行させて、その国の経済に供給させる。この目的の為の、その国の政府による国債発行です。

政府が公共事業を行なって、その事業に従事する労働者に賃金を支払うと、その労働者は、得られた所得で、彼が購入を欲する商品を購入します。
多くの人々が購入を欲する価値の高い商品を生産販売できる企業にとっては、活発に、「代金が支払われて、生産販売する商品が購入される。」事が実現する事になります。

個々の企業の事業活動の規模の拡大が、産業全体で合計されたものが、経済の規模の拡大となります。

経済の規模を拡大させる要因は、既存の企業の成長だけに限定されません。今まで存在していなかった、新しい事業が起業される事も、経済の規模を拡大させてゆきます。
ここで、今まで存在して居なかった新しい種類の商品の誕生は、新しい事業を生み出させます。

イノベーションが、重要です。

その国の産業が成長して、国全体で産業活動が成長することは、成長の規模に相応して、中央銀行が新しく通貨を発行して、その国の経済に供給する事が必要となります。
この事が適切になされて居たら、インフレ率は、大きくは変動しません。

政府が、如何に大規模に国債を発行し続けても、インフレ率が変動しないなら、この事は、経済の規模が成長を遂げている事を意味します。
発行された国債により、経済に新たに供給された通貨の規模だけ、経済の規模は、拡大しています。

経済成長により、政府の税収が成長し、発行した国債を償還する事が可能になります。

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