NO.033 かつて宮沢蔵相の100兆円規模の財政出動(Fiscal policy)は、なぜ失敗したのか? 有り得ない事が起こったと言い切ります。 「いきなりの大魔神の起用。」は、マクロ経済学の原理に適っていたはずでした。ただし「健全に行われていたならば。」です。 ・・・ テーマラベル : MMT。年金国債。日本銀行の直接国債買取によるケインズ政策。これらはマクロ経済学の原理に適っている。 カテゴリーラベル : マクロ経済学
政府の経済政策に、疑問を抱いています。
かつて小渕総理の時の宮澤蔵相が、数年間、毎年100兆円の規模の財政出動を繰り返しました。
マクロ経済学の原理に適っていたはずでした。何故、成功しなかったのか?
有り得ないと言い切ります。・・・マクロ経済学の原理に適った政策でした。健全に行なっていたならば、たちまちデフレ脱却して、日本経済は再度の高度成長を実現し、税収も拡大して、財政債務を返済していたはずでした。
何処かが、おかしかったはずです。
一つ、指摘しましょう。100兆円規模の財政出動は、産業にとって100兆円の政府特需を意味します。日本経済にとって、活性化の爆発的な起爆剤になっていたはずでした。
庶民感覚にも、経済活性効果は、肌で実感されていたはずでした。
しかし、現実には、そんな経済活性化効果は、一切起こりませんでした。財政出動は、現実には、行われなかった。・・・それ以外には、有りえなかった。
可能性があるとすれば、発行された国債を銀行に運び込んで、国債の金額を、誰かの口座の残高に加算した。
そうすれば、帳簿の上では、GDPは100兆円だけ成長した事になるんじゃ無いかな?
健全に行うのならば、100兆円の国債を、日本銀行が新たに日本銀行券を発行して購入する。政府が、支払われた国債の代金を財源に公共投資を行う。
産業にとっては、既存の需要にプラスして、100兆円の政府特需が加わる事になる。
産業にとっては、既存の商品売上に上乗せして、政府が100兆円分の購入をしてくれるのです。
政府の借金は、いずれ返済されなければならないけど、それまでには、必ず、100兆円の特需効果が経済に起こったはずです。
庶民にも、肌でその効果は、実感されていたはずでした。しかし、そんな効果は、一切無かったです。
産業が商品を生産する事は、生産された商品には、原材料の段階では存在されていなかった価値が生み出されて、商品に付加されているはずです。
産業は、その生み出されて商品に付加された価値のお値段を、原材料のコストに上乗せして販売することができます。
経済全体で、その生産された価値の総額が、借金を含めた全てのコストを上回ったら、借金を返済した上で利益が残ります。それが、経済成長でしょう?
これ、ケインズ政策と呼称されているはずです。小室直樹先生が、ビジネス書で、ヒトラーのナチスドイツが、ケインズ政策で破綻しかけていたドイツ経済を立て直し、大軍拡ができる程に高度成長させた事例を紹介してくださいました。
アメリカのルーズベルト大統領は、発行した国債を資産家に購入してもらって、公共投資をしたと聞きましたが、ヒトラーは、発行した国債を、ドイツ連邦銀行に、新たにマルクを発行させて購入させたのだろうと推測します。
当時のドイツの国家財政は、破綻寸前で、そんなドイツ政府の発行する国債を購入する資産家は、居なかったでしょうから。
今、日本銀行が行なっている、インフレターゲット付き量的緩和政策も、考え方は、基本は同じです。
日本銀行が、新たに日本銀行券を発行して、既に発行されている国債や株式や債券を購入する。
新たに発行された日本銀行券で商品購入を行う主体が、政府でなくて、国債や株式や債券を、日本銀行に売却した人達となります。
以前の記事でも述べましたが、アベノミクスは、最初は、今述べたケインズ政策だったはずでした。安倍総理は、「日銀に直接国債を購入させた財源で、財政出動を行う。」と発言していました。
総理の発言の短期間の後に、アベノミクスは、異次元の金融緩和、即ちインフレターゲット付き量的緩和政策に置き換わりました。
ケインズ政策は、健全に行うならば、即効性の効果が現れるはずです。インフレターゲット付き量的緩和政策も、効果は、即効性のはずです。
6年間もかけて、デフレ脱却に成功していないのならば、何処かが、おかしいのです。
そのツケは、必ず、返ってくることになるでしょう。
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Lady MさんへのMessage
かつて小渕総理の時の宮澤蔵相が、数年間、毎年100兆円の規模の財政出動を繰り返しました。
マクロ経済学の原理に適っていたはずでした。何故、成功しなかったのか?
有り得ないと言い切ります。・・・マクロ経済学の原理に適った政策でした。健全に行なっていたならば、たちまちデフレ脱却して、日本経済は再度の高度成長を実現し、税収も拡大して、財政債務を返済していたはずでした。
何処かが、おかしかったはずです。
一つ、指摘しましょう。100兆円規模の財政出動は、産業にとって100兆円の政府特需を意味します。日本経済にとって、活性化の爆発的な起爆剤になっていたはずでした。
庶民感覚にも、経済活性効果は、肌で実感されていたはずでした。
しかし、現実には、そんな経済活性化効果は、一切起こりませんでした。財政出動は、現実には、行われなかった。・・・それ以外には、有りえなかった。
可能性があるとすれば、発行された国債を銀行に運び込んで、国債の金額を、誰かの口座の残高に加算した。
そうすれば、帳簿の上では、GDPは100兆円だけ成長した事になるんじゃ無いかな?
健全に行うのならば、100兆円の国債を、日本銀行が新たに日本銀行券を発行して購入する。政府が、支払われた国債の代金を財源に公共投資を行う。
産業にとっては、既存の需要にプラスして、100兆円の政府特需が加わる事になる。
産業にとっては、既存の商品売上に上乗せして、政府が100兆円分の購入をしてくれるのです。
政府の借金は、いずれ返済されなければならないけど、それまでには、必ず、100兆円の特需効果が経済に起こったはずです。
庶民にも、肌でその効果は、実感されていたはずでした。しかし、そんな効果は、一切無かったです。
産業が商品を生産する事は、生産された商品には、原材料の段階では存在されていなかった価値が生み出されて、商品に付加されているはずです。
産業は、その生み出されて商品に付加された価値のお値段を、原材料のコストに上乗せして販売することができます。
経済全体で、その生産された価値の総額が、借金を含めた全てのコストを上回ったら、借金を返済した上で利益が残ります。それが、経済成長でしょう?
これ、ケインズ政策と呼称されているはずです。小室直樹先生が、ビジネス書で、ヒトラーのナチスドイツが、ケインズ政策で破綻しかけていたドイツ経済を立て直し、大軍拡ができる程に高度成長させた事例を紹介してくださいました。
アメリカのルーズベルト大統領は、発行した国債を資産家に購入してもらって、公共投資をしたと聞きましたが、ヒトラーは、発行した国債を、ドイツ連邦銀行に、新たにマルクを発行させて購入させたのだろうと推測します。
当時のドイツの国家財政は、破綻寸前で、そんなドイツ政府の発行する国債を購入する資産家は、居なかったでしょうから。
今、日本銀行が行なっている、インフレターゲット付き量的緩和政策も、考え方は、基本は同じです。
日本銀行が、新たに日本銀行券を発行して、既に発行されている国債や株式や債券を購入する。
新たに発行された日本銀行券で商品購入を行う主体が、政府でなくて、国債や株式や債券を、日本銀行に売却した人達となります。
以前の記事でも述べましたが、アベノミクスは、最初は、今述べたケインズ政策だったはずでした。安倍総理は、「日銀に直接国債を購入させた財源で、財政出動を行う。」と発言していました。
総理の発言の短期間の後に、アベノミクスは、異次元の金融緩和、即ちインフレターゲット付き量的緩和政策に置き換わりました。
ケインズ政策は、健全に行うならば、即効性の効果が現れるはずです。インフレターゲット付き量的緩和政策も、効果は、即効性のはずです。
6年間もかけて、デフレ脱却に成功していないのならば、何処かが、おかしいのです。
そのツケは、必ず、返ってくることになるでしょう。
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