NO.022 イスラムでは、聖典の解釈が、普通の人である教師(宗教指導者)に委ねられている。教師の解釈が、そのまま正しいとされてしまう事になる。 教師により聖典の解釈が異なるから、宗派が生まれたのだろう。 ・・・ テーマラベル : 破壊されたイランには第二のイスラム国(Islamic state)が誕生する カテゴリーラベル : Iran, 宗教社会学
以下の内容を、イスラムの人々にも呟きましょう。この問題については、過去に何度も、そうしてきました。
イランが、核合意に規定された上限を超える低濃縮ウランを製造しました。合意に参加された各国にとって、イランが核合意に違反したと言う事では無いのですか?
アメリカは核合意から離脱しました。現在も参加している各国にとって、「イランが合意を守るなら、我が国も守る。アメリカの選択は、関係ない」でしょう?
核合意とは、イランと他の参加各国との間の、個別の合意の集合体なのではないのですか?
それが、ルールなのでは無いのですか?
核合意参加各国にとって、参加した理由は、イランが核合意を守る事が、自国の利益になる為でしょう?ならば、アメリカが離脱しても、イランが合意を遵守し続けるならば、この事が評価されたはずでした。参加各国は、イランへのサポートに踏み切ったでしょう。
イランは、この判断ができなかった。
アメリカは、軍事攻撃で無くて経済制裁を選択した。軍事攻撃なら他の国々は、イランをサポートできない。しかし、経済制裁なら、他の国々が、イランへの支援が可能となる。アメリカは、他国の自由意志による選択を尊重したのです。
これが、ルールでしょう?
イランは、現在の国際社会におけるルールを知らなかった。「ルールを知ろうとはしなかった。」と言う事でしょう。最初から、現在の国際社会と協調する意志が無かったと言う事ですか?
イスラム教徒にとって、現在の国際社会は、キリスト教徒が作ったシステムだからと言う事ですか?
キリスト教徒にとって、イスラム教徒は、理解困難な一面があるように思っています。無理解なままで行動に踏み切って、悲劇を引き起こす事に躊躇する。
イスラム教徒が、この事を利用するなら、キリスト教徒が作った国際社会のルールを理解しようとしないかも知れません。
イスラム教は、他宗派や異教徒達と共存の余地を与えているはずです。ムハンマドが登場してから現在に至るまでの時間は、イスラム教徒とキリスト教徒が戦争を繰り返した期間でしょうが、共存してきた期間でもあるはずです。
共存の余地が皆無ならば、どちらかが既にジェノサイドされていたはずです。
イランを、キリスト教徒が作った国際社会のルールを尊重できる合意点を見つけ出し、説得する余地は、恐らくあるでしょう。
イスラム教は、異教の存在を許容し得る宗教のはずですから。
日本の中でしか住んだことのない一日本人の目には、イスラム教徒は、キリスト教徒の理解を得ようとはしないように見えます。
これは、偏った情報でしか判断していない偏見かも知れません。
過去にも言及した、イスラム教の理解の助けになるかも知れない一つのエピソードに言及します。
イラク戦争の時でした。フセイン政権が崩壊した際に、ある人々が、政府の建物から略奪を行った。その際、ある宗教指導者が、聖典を読んで解釈して、「公共のものは、公共に返さなければいけない。」と略奪を行った人々に教えた。すると、人々は、略奪した物をモスクに運び込んだ。
そのイスラム教徒の人達にとって、「公共のものは、公共に返さなければいけない。」とは、アッラーの命令だったのでしょう。
宗教指導者が、自分で聖典を解釈した内容が、アッラーの命令とされて、何の問題もなかったのです。
イスラム教では、特別な人間は居ないとされていると聞きました。予言者であっても、他の人々と、何処も変わらない普通の人間とされていると聞きました。アッラーの命令を事前に知らない事もあり得るし、聖典を読んで解釈を誤る事もあり得る。
おそらく、「何かの問題が起こった時に、教師の役目の者が、聖典を解釈した内容を人々に伝え、人々がそれに従ったら、アッラーの命令は守られたと見なそう。」とする思想が存在していると思います。
このアッラーの命令を、宗教指導者であっても、事前に知らなかった事は、問題にならなかった。人間だから、アッラーの命令を、知らないで破る事だってある。知った時点で、守ればそれで良いと言う事に思えます。
聖典の解釈が、普通の人間である教師の立場の宗教指導者に委ねられている事は、その個人によって、様々な異なった解釈の可能性がある事になりますね?そして、この事は、イスラム教の思想として、許容されていると言う事でしょう。・・・この思想自体も、普通の人間が聖典を解釈した事によるものですね?
イスラム教において、時として悲劇が起こり得る程の宗派間の対立が起こり得る原因の根本は、ここにあると思っています。
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